2021コパ・アメリカ【ブラジル】優勝予想!?
コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて急遽ブラジルで開催されている2021コパ・アメリカも準決勝進出チームが決まりました。
同時期に開催されているEURO2020に注目が集まるのは必然だと思われますが、2022カタール・ワールドカップでヨーロッパ勢に立ち向かえる可能性を探るべく南米選手権の優勝国を予想してみたいと思います!?
2強に対抗できる国は現れない!?
10ヶ国で争い南アメリカ大陸王者を決するコパ・アメリカですが、優勝最多のウルグアイ(15回)、アルゼンチン(14回)、ブラシル(9回)の実質3ヶ国の中で優勝が争われていて近年は組織的な戦術でチリが第4の候補と言える大会でしょう。
南米特有のアンフェアーと紙一重の駆け引きでヨーロッパでは見られない(許されない)プレーも戦術の一部の様に思われるタフな大会はEUROの様な戦術的な戦いよりも闘志と勢い、個人能力が結果に及ぼす影響が大きくタレントと戦術を組み合わせてハイレベルなチームを創ったコロンビアですら1回しか制していない偏った大会だと言えます。
ヨーロッパと比べて経済的に不安定な南米ではサッカーへの情熱が狂気にも似た形で現れがちで自国開催では逆にプレッシャーが膨張する傾向が見受けられます。
古豪のウルグアイが敗れた事で今大会は実質上、開催国のブラジルとメッシ率いるアルゼンチンの2強対決は免れないと予想します。
ブラジル代表スタメン予想!?
GK:エデルソン
右サイドDF:ダニーロ
センターDF:マルキーニョス
センターDF:チアゴ・シウバ
左サイドDF:ロディ
インサイドMF:ルーカス・パケタ
インサイドMF:エベルトン・リベイロ
右ウイング:エヴェルトン
センターFW:フィルミーノ
左ウイング:ネイマール
チッチ監督と現状のブラジルを考えると有りえないようなスタメンを敢えて予想しました。
今回のコパ・アメリカを優勝する為にはGKアリソン、左サイドDFアレックス・サンドロ、ボランチにカゼミーロ、フレッジをFWにはリシャリルソンを起用するのが効果的だと思いますが、EURO2020のゲームを分析する限りブラジルがサッカー王国に返り咲くにはリスク回避ではなく圧倒的な個人のボールテクニックと駆け引きに裏付けられたボールポゼッションを基軸にしたゲームコントロールと自陣センターの強固なディフェンスが重要になると思います。
個のタレント力で世界でも違いを創造できるのは現代表ではネイマール位でしょう。かと言っても世界一の座に戻るには主導権を握ったうえでゲームをコントロールしてゴールを奪えるチームに生まれ変わるしか道は無いと思われます。
ブラジルは元来から個々の能力を最大限に活かしながらも他国に行けばエース級の選手達がセンスを頼りに連動する即興性をゲームで発揮できることが王国と云われ精神的にも優位に立てる要素だったと思います。
過去にタイトルを獲った1970年メキシコ・ワールドカップの代表がブラジル人の理想的なセレソン像ではないでしょうか?
圧倒的な個人の能力、後方からの攻撃参加、中盤でのボールキープからゴールを量産して優勝したチームは王国ブラジルにしかできない魅力と結果を伴ったスタイルでした。
ジーコ、ソクラテス、ファルカン、トニーヨ・セレーゾ黄金の中盤擁してサイドDFにジュニオール、レアンドロ、左サイドのスペシャリスト、エデルが絡む攻撃はエレガントに試合をコントロールし、観る者を魅了しながらも敗れた“82のチームはブラジルが王国である所以を別の意味で感じさせたチームでした。
“90以降は戦術的な進歩でヨーロッパ勢がボールを握り、ゲームをコントロールする時代になりますが、ヨハン・クライフが指揮して現在のフットボール界にも影響を及ぼしたドリーム・チームでヨーロッパを制したFCバルセロナをゲームコントロールでも上回り圧倒したテレ・サンターナ率いるサンパウロFCが連覇を遂げた事実はブラジルサッカーの神話性を強める出来事だったと思います。
“94アメリカ・ワールドカップと”02日韓ワールドカップを征して再び復権したと思われがちですがカウンターの決定力で勝ち上がり勝負強さの面で評価されるスタイルへ変わり果てた姿でも優勝した事にフォーカスして王国としてのプライドは軽視されていました。
選手のクオリティだけでカウンターからゴールを逃さない勝負強いブラジルは次第にゲームの主導権を握れないチームとなり2014自国開催のワールドカップ準決勝でドイツに7-1で大敗を喫して初めてサッカー界の変動に気づかされることとなりました。
しかしながらお金と権力が物を言うブラジルでは既得損益を奪うことに従事して元来持っていたブラジル国民の能力を発揮する場所は無くなっているのが現状だと思います。
経済では進歩してもサッカーではトップだった事から衰退するしか道が残ってなくタレント力でもネイマール一人に依存する悲しい現実に行き着いてしましました。
ブラジルは再び王国に復活するポテンシャルを持ち合わせていると思いますが、世界中を魅了した当時のスタイルを取り戻すには目先の結果以上に理想と現実の両方を手に入れる必要があると思います。
ネイマールに頼るのではなく、攻撃的な両サイドDFとボランチのゲームコントロール、そして何より中盤での圧倒的なボール保持から緩急を織り交ぜたアタッカーのテクニックで相手を圧倒するスタイルに戻す事が自国とサッカー界の未来に希望を見出す要素だと思います。
ネイマールの能力はあくまでチームのアクセントであり中盤の選手の能力でゲームを掌握するスタイルへの回帰を願いインサイドMFには守備、バランスよりもボールテクニックと攻撃に能力を発揮する選手を選出したい想いを表してみました。
守備での貢献度が求められるボランチですらブラジルのサッカーを表現するにはリスクマネージメントだけでは足りずに創造性を発揮できる選手の起用を願っています。
アルゼンチン代表スタメン予想!?
GK:マルティネス
右サイドDF:モリーナ
センターDF:ロメロ
センターDF:ペッセラ
左サイドDF:タグリアフィコ
デフェンシブMF:パレデス
インサイドMF:ロ・チェルソ
右サイドFW:メッシ
センターFW:マルティネス
左サイドFW:ゴンザレス
史上最高のディエゴ・マラドーナを擁して“86メキシコ・ワールドカップを征した後、彼をも上回る記録でサッカー史に残る活躍を魅せるメッシがプレーしているにも関わらずタイトルとは無縁のアルゼンチンサッカーで今大会は久しぶりにタイトルを勝ち取ると予想します。
アルゼンチン代表が強いと言うよりも周りに対抗する相手がいないのが要因だと思っています。
前途したようにブラジルは攻撃にタレント力を失っていて個の能力とチームバランスを考慮した場合、アルゼンチンよりも劣ると分析しました。
アルゼンチンも自国開催で優勝した“78年大会程のタレントの充実はなかなか実現できませんが”94アメリカ大会時にマラドーナが復活した当時のタレントを擁する事ができれば再び世界の頂点に近づくことは可能だと思います。
DF選手の安定したプレーとレドンドやベロンのように攻守で存在感を発揮できる選手が現れる事でメッシ、アグエロ、デ・マリアなどのタレントを擁するチームは劇的に完成度を高める可能性があるでしょう。
自国開催で優勝した伝説のチームにマラドーナを加える事もできた可能性を秘めたアルゼンチンサッカー界も同世代に圧倒的な個でゲームを決めるタレントを輩出できれば再び世界を魅了する代表チームを創ることが可能かもしれません。
EURO2020フランス代表
“18ロシア・ワールドカップ王者で前回EUROのファイナリストであるフランス代表は個のタレント力を前面に押し出したチームだったと思います。
突出した個人能力を組み合わせて作ったチームは伏兵スイスにPK戦の末敗れて大会を去る事となりました。
献身的なプレーでチームに貢献できるMFカンテ、FWグリーズマンによって補完されていたチームも合流して間もなかったベンゼマ、対策で封じられたエンバッペや安定したパフォーマンスを発揮できないMFポグバなど個の能力が噛み合わなければ諸刃の剣であることを改めて実感させられるチームだったと思います。
ベルギー代表も似たような現象が感じられました。ルカク、デ・ブルイネ、新星ドクは個人での能力で存在感を放ちながらもユニットとして分断されたことで能力を抑えられていました。
経済的に劣る南米のサッカー界は情熱とボールテクニックと創造性で同じ感覚でイメージできる最高のタレントを輩出できるかが今後の情勢に深く影響すると思われます。
ウルグアイの強力2トップ、スアレスとカバーニに匹敵するようなストライカーとボールを持てば相手を圧倒するメッシ、ネイマール級のタレント、レドンドやマウロ・シウバのようにボール奪取とポゼッション、ドリブルでも局面を変える能力を持つボランチ、ダイエル・アウベス、ロベルト・カルロスのように攻撃で圧倒的な存在感を発揮するサイドDFと現役でプレーするチアゴ・シウバ、ゴディン、マルキーニョスの様に読みが鋭く攻撃でも貢献できるセンターDFを育てる事がこれから先、サッカー界で影響力を保ち続ける条件となりそうです。
ブラジル、アルゼンチン両代表チームがヨーロッパから参加するスペイン、ドイツ、ルーマニア、フランスと金メダルを獲得した経験を持つメキシコ、育成年代では身体的な能力もチームとしての強みになるアフリカ勢、地道に成長を続けてきた開催国の日本とアシアの韓国を相手に戦う東京オリンピック2020は2022カタール・ワールドカップを占う上で重要な大会となりそうです。