EURO2020ヨーロッパ選手権の分析と優勝予想!?
1年間の延期経て開催となったEURO2020は優勝候補有力と予想されていた国が決勝トーナメント1回戦、ベスト16で敗退する波乱の大会となりました。
前回大会覇者ポルトガル、2018ロシア・ワールドカップ王者フランス、2014ブラジル・ワールドカップを制したドイツの近年タイトルを獲得して優勝候補と予想された国が予選グループで同組に入り、死の組と呼ばれたグループFを勝ち上がった3ヶ国はすべて決勝トーナメント1回戦で敗退する結果となりました。
60周年の記念大会で12の異なる都市で開催されている今大会はFIFAランキング1位のベルギーも優勝候補でしたが、負傷者と主力の高齢化などの影響も見受けられてサッカー大国の名誉を取り返す過程にあるイタリアに敗れました。
2020EURO準決勝以降はロンドンで争われるベスト4に勝ち残ったチーム分析と優勝国を予想してみたいと思います!?
スペイン代表スタメン予想!?
GK:シモン
右サイドDF:アスピリクエタ
センターDF:ラポルテ
センターDF:パウ・トーレス
左サイドDF:ジョルジ・アルバ
ピボーテ:ブツケス
インサイドMF:ペドリ
右サイドFW:フェラン・トーレス
センターFW:ジェラール・モレノ
左サイドFW:ダニ・オルモ
GKは今大会から完全にレギュラーとなったウナイ・シモン、DFラインは右にはサイドでもセンターでもプレー可能なアスピリクエタが戦術的な幅を持たせてくれるでしょう。
エリック・ガルシアの成長に期待したいセンターDFですが現時点でのベストチョイスはラポルテとパウ・トーレスが妥当だと思います。
左サイドDFにはポゼッション時は高い位置を取って幅を創り、相手DFの裏を狙えるジョルジ・アルバがピッチに立つと思われます。
序盤の欠場から復活してチーム全体の調子を戻したキャプテンのブツケス、若手ながらもディフェンスを含めてチームに安定感をもたらし、ポゼッション時のボールの抜け道を的確に創れるペドリ、ベテランの域になり運動量で衰えが見えるコケに代わって、より変化を加えることができるチアゴ・アルカンタラが起用されると期待しています。
FWにはセンター、右サイドでポジションを変えながらゴールとチャンスメイクが期待されるフェラン・トーレス、ジェラール・モレノと左サイドはインサイドでも能力を発揮できるダニ・オルモがスタートで起用されると予想しました。
基本的な攻撃はポゼッションスタイルで左のジョルジ・アルバを高く配置してDFラインを実質スリーバックにして中盤の三選手が相手の中間を取るポジショニングからボールを循環させてサイドにボールを運ぶのが第一段階。
右サイドを起点にフェラン・トーレス、スペースに流れるジェラール・モレノの個人での局面打開と中盤を経由して左サイドはジョルジ・アルバの裏への飛び出しがゴールへの道筋になると思います。
チアゴ・アラカンタラの起用で中央での崩しも多彩になり、ペドリとFW陣に鋭く決定的なパスを供給して自らゴール前に入り込む仕事も可能になると予想します。
オープンな展開になればFWモラタ、右サイドにはトラオレの投入が効果的でオヤルサバルは前方であればどのポジションで起用しても流れを変えるオプションとなるでしょう。
経験豊富で勝負所を心得ているアスピリクエタのいぶし銀のプレーに注目です。
イタリア代表スタメン予想!?
GK:ドンナルマン
右サイドDF:ロレンツォ
センターDF:ボヌッチ
センターDF:キエッリーニ
左サイドDF:エメルソン
インサイドMF:バレッラ
右サイドFW:キエーザ
センターFW:インモビーレ
左サイドFW:インシーニェ
伝統のカテナチオ、自陣ゴール前を固めてカウンターから数少ないチャンスをゴールに結びつけて勝利してきたスタイルから連動した守備からボールポゼッションを基軸にした戦い方で大きく戦い方を変えながら着実に成長してきたイタリアは優勝候補FIFAランキング1位のベルギーを破りEURO大会記録の15連勝を成し遂げて強いチームと印象づけたと思います。
負傷したスピナッツォーラに代わり左サイドDFにはエメルソンを起用する以外はスタメンの変更はないと予想しました。
左サイドはインシーニェがややインサイドに、より高い位置の外側にスピナッツォーラ(
代わりのエメルソン)がポジションをとり、ヴェラッティとジョルジーニョのサポートから面白いように中央へ侵入していくインシーニェが起点となるでしょう。
右のキエーザ、MFベレッラはプレーに関与する回数を少なめですがプレークオリティが高く、ボールを受ければ能力を発揮できていて特にエリア内でのプレーに期待が掛かります。
前線から連動した守備戦術も連係が取れていて高い位置でのボール奪取も可能、ベテランコンビのセンターDFが統率し、若き守護神ドンナルマンがゴールを死守する守備陣は伝統の安定感で強固な組織になっています。
ドリブルでの局面打開に期待できるベルナルデスキが攻撃のオプションとして面白い存在でしょう。
左サイドを起点にしたインシーニェ、ヴェラッティが絡んだ崩しに注目して下さい。
デンマーク代表スタメン予想!?
GK:シュマイケル
DF:クリステンセン
DF:ケア
DF:ヴェスターゴーア
右サイド:ラーセン
MF:ホイビュルク
MF:デライネ
左サイド:メーネ
シャドー:ダムスゴー
シャドー:ブライスバイデ
CF:ドルベリ
初戦で中心選手のエリクセンが試合中に心臓発作で倒れるアクシデントに見舞われたデンマークですが、本人が意識を取り戻し、その後の経過も順調な知らせが届くとチームの結束力が上がったのか前評判を覆す快進撃で準決勝まで勝ち上がってきました。
過去にユーゴスラビアの出場資格剥奪によって出場したEUROで優勝した伝説のチームを彷彿とせせる今回の出来事は苦境に立ったチームに勢いをもたらす結果となりました。
GKには当時ゴールマウスを守っていたシュマイケルの息子が現在の守護神、キャプテンのケアを中心にしたDFラインも強固な印象を受けます。
基本的にボールを大事にするプレースタイルの国ですが、選手のサイズも大きくフィジカル勝負もいとわない戦いにも対応は可能でしょう。
今大会の活躍によりベンチからスタメンを勝ち取った12番ドルベニのゴールに注目してみて下さい。
イングランド代表スタメン予想!?
GK:ピックフォード
DF:ウォーカー
DF:ストーンズ
DF:マグワイア
右サイド:トリッピア
MF:フィリップス
MF:ライス
左サイド:ショー
シャドー::マウント
センターFW:ケイン
左サイドFW:スターリング
国際大会のタイトルから離れて長い年月が過ぎるイングランド代表ですがプレミアリーグの充実により育成年代のタレントも育ち始めて将来を期待できるクオリティを持つ選手達が選出されて面白いゲームを魅せてくれています。
両サイドを高く配置したスリーバックではウォーカーをサイドバックのように、二人のMFが相手のポジショニングを逆手に取った立ち位置で複数のパスコースを創り、左のマグワイアは自らドリブルで前進することでファーストDFラインを簡単に突破してしまう現在のチームは伝統のボックス・トゥー・ボックスが可能で全ての面で能力の高さを感じさせるフィリップスとライスによる中盤の構成力が基本のチームだと思います。
万能ストライカーのケインと今大会復調したスターリングが攻撃の中心ですが残る1枚の選手起用でゲームプランを遂行していると分析します。
右サイドに個人での突破力で打開する選手、もしくはスターリングを逆サイドで起用してグリーリッシュやサンチョを起用する場合はサイドでの攻防に活路を見出したい戦略、インサイドでプレーするチャンスメイカーのマウント、フォーデンを起用する場合は中盤の組み立てから数的優位を創り相手を攻略するのが狙いだと予測可能でしょう。
セントラルMFで出場する選手のポジショニングに注目してみて下さい。
優勝予想イタリア!?
ベスト4に勝ち残ったチームは実力も勝負運も兼ね備えたチームだと分析できます。
まず準決勝スペインvsイタリアは互いにボールポゼッションを中心にゲームを構築するスタイルでイタリアのハイプレスにブツケスを中心としたスペインのビルドアップで相手陣内に入れるかが最初のポイントでしょう。
守備の安定感ではイタリアに分があると感じます。攻撃面ではイタリアは左サイドを起点に逆サイドも絡めた攻撃で何度もチャンスを創ってきた得意な形を持っているのに対してスペインは絶対的な形は持っていないのが現状だと分析します。
強固なイタリア守備陣からゴールを決めるには一瞬の綻びを見抜く戦術眼と個のテクニックに連動性がかみ合った場合でしょう。
経験値が低いスペイン守備では経験豊富なアスピリクエタのインテリジェンスと闘志が結果に影響を及ぼしそうです。
互いにボールを握って攻撃を仕掛けたいチームの中盤での攻防と、カウンターの精度が勝負の決め手となると予想します。
デンマークvsイングランドは準決勝からロンドンで戦えるイングランドにホームアドバンテージがあるのは当然だと思います。
ビルドアップから攻撃に繋げる確率が高いイングランドが主導権を握り、強固に固めるデンマーク守備をいかに崩すかが勝負のポイントでしょう。
フィジカル勝負に持ち込んだ場合はデンマークにも勝機が見えてくるかもしれません。特にセットプレーでゴールを奪えれば狙い通りのゲームプランとなるのではないでしょうか。
選手の交代も含めたイングランドの攻撃に注目したいゲームです。
接戦を制したイタリアとイングランドが対決すると予想した決勝戦も実力が拮抗した面白いゲームになると予想します。
久々のタイトル奪取に掛ける思いがイングランドにはプレッシャーになる可能性を感じます。
緊張感からイタリアのハイプレスに捕まってピンチを招き、ロングボールで逃げるような展開ではリズムを創れずにゲームをコントロールするのは難しいでしょう。
その点イタリアはロングボールで相手の背後を狙うことや、中盤での組立など複数の攻撃プランを持ちながらも左サイドで起点が創れると予想します。
中盤での数的優位を巧く利用して良い状況でインシーニェにボールが渡ればゴールチャンスが多く生まれると思います。
イングランドはフォーバックにして対人能力に強いウォーカーをマッチアップさせて抑えに行けば、中央でバレッラ、ヴェラッティのクオリティで崩し右のキエーザが決定的な仕事をするかもしれません。
いずれにしても絶対的な優勝候補がいなくなったEURO2020はチームの実力を上げながらも結果を残した自信が自国の戦術に信憑性を深めて確固たるスタイルを構築するための大会になるのでしょう。
各チームのスタメンや戦術、システムの組み合わせなどを予想してハイレベルな戦いとなったEURO2020を楽しんで観てはいかがでしょか?