【FCバルセロナ】21-22シーズンを考察!?
20-21チャンピオンズリーグのベスト16で昨シーズンのファイナリスト、パリ・サンジェルマンに敗れたバルセロナ。
今シーズンに残されたのはコパ・デル・レイとラ・リーガの国内タイトルのみとなってしまいました。
新会長に過去に2度の黄金期を築くことに成功したジョアン・ラポルタが再当選して変革期を迎えるバルセロナの来シーズンへ向けた戦術を考察してみたいと思います!?
ライカールト・ロナウジーニョ時代
ラポルタが最初に迎え入れたライカールト監督はパリ・サンジェルマンから加入したロナウジーニョと共にバルセロナを再びクレが誇るチームを創りました。
就任2年目にはリーグを制して2006-07シーズンにはクラブ史上2度目のヨーロッパチャンピオンに輝き、クライフ監督が率いたドリーム・チームに匹敵するバルセロナらしいサッカーで再び世界中を虜にしました。
クライフ監督が好んだ3-4-3でトライアングルを創って人よりもボールを素早く動かす事でゲームをコントロールするスタイルからシステム表記では4-3-3となる布陣で、より選手が状況に応じてポジションをチェンジするスタイルで個性を融合したチームだと感じました。
ペップ・メッシ時代
ロナウジーニョの影響力が高くなる一方で本人の調子もチーム自体の成長も下降線を修復する事が出来ない状況で監督に抜擢されたのはバルセロナのカンテラで育ち、クライフに見出されてドリーム・チームの中心選手として活躍したペップことグラウディオラです。
徐々に結果を残しながら才能の片鱗を発揮してきたメッシをチームの中心に据えて再びヨーロッパの頂点に返り咲くことになります。
就任初年度に獲得可能なタイトル総てを勝ち取り、6冠を成し遂げたチームは常に変化を加える事で進化しながら成長していきました。
伝説のチームへ!!
毎シーズン、マイナーチェンジを施しながら常に成長してきたペップのバルサは2010-11で再びチャンピオンズリーグ決勝の舞台に戻ってきます。
対戦相手は奇しくも2年前の決勝戦と同じく、名将アレックス・ファーガソン監督に率いられたマンチャスター・ユナイテッドでした。
デビュー当初は右サイドでドリブル突破を中心としたチャンスメークで相手を翻弄していたメッシですが、スタートポジションをセンターに移して中盤に降りて組立にも参加するゼロトップのスタイルを確立して得点能力も開花させていました。
メッシが最初にゼロトップとしてプレーしたのがローマで行われた前回の決勝だったと記憶しています。
シャビ、イニエスタ、ブツケスで構成される中盤にメッシが加わるカンテラ育ちのバルサのパス廻しは観る人々を魅了するだけでなく、対戦相手の闘争心を失わせるほどのポゼッション率を誇り、得点も量産するサッカー史上最高と思えるようなチームとなっていました。
MSN
2014-15シーズンはルイス・エンリケ監督になり、以前のスタイルであるボールポゼッションを中心に相手を圧倒してゲームを支配するスタイルからメッシ、スアレス、ネイマールの個人能力を得点に結びつける驚異のトリオが爆発的な得点力を発揮してクラブ史上4度目のヨーロッパチャンピオンになりました。
ネイマールがパリ・サンジェルマンに移籍して以降は国内タイトルを獲れてもヨーロッパの舞台で輝くことはできずに現在に至っています。
2021-22シーズンを考察!?
世界中を魅了したスタイルを失った現在のバルセロナは今シーズンからクラブのレジェンドの一人であるクーマン監督に指揮を託しています。
選手の高齢化と補強の失敗が相まってトップレベルとは言い難いパフォーマンスの現状を急に変える魔法は存在しないでしょう。
攻撃的には選手同士の意思疎通がようやくプレーに表れてきていると感じますが、デフェンスは抜本的な改革が必要だと感じます。
センターDFのピケの年齢、ラングレの不安定なパフォーマンスを考えると新シーズンに向けては、今後チームの主軸として活躍できうる若いタレントが必要でしょう。
戦線力の獲得も考慮した来シーズンのベスト布陣を考えてみましょう。
GK:テアシュテージェン
右サイドDF:セルジ・ロベルト
センターDF:ウパメカノ(ライプツィッヒ→バイエルン)
左サイドDF:ベルナト(パリ・サンジェルマン)
インサイドMF:ペドリ
インサイドMF:チアゴ・アルカンタラ(リバプール)
偽右FW:メッシ
偽センターFW:グリーズマン
左FW:アンス・ファティ
バルセロナはやはり、中盤のパス廻しからゲームをコントロールしてフィニッシュのフェーズへは個人の能力と連動性で決定機を創出するスタイルに回帰して欲しいと思います。
GKを含めたビルドアップでは最終ラインの中央はGKテアシュテーゲンに任せる従来のスタイルに戻して、ロングフィードが可能な現在のピケの代役にカンテラーノのエリック・ガルシア、ドリブルで中盤にボールを運ぶことで相手のファーストデイフェンを無力化する左利きのセンターDFが理想的です。
ウパメカノは来シーズンからバイエルン・ミュンヘンへの加入が発表されているので現実的に獲得が難しい存在ですが、バルセロナのスタイルに合った好選手だと思います。
左サイドDFは現ジョルジ・アルバのように攻撃的な選手が必要で守備能力だけを評価した補強ではバルセロナのスタイルに適応するのが難しいでしょう。
ブツケスの代役はデ・ヨングが適任だと思います。1列前でボックス内へのランニングにも魅力がある選手ですが、ボール保持者の斜め後方で常にサポート可能なポジションを取ってボールロスト時には前進守備でボール奪取、もしくはプレシングで相手をコントロールする役割を担ってほしいタレントではないでしょうか。
バルサスタイルの中心となるパス廻しで重要な存在は、状況判断とボールコントロールにすぐれ、相手守備陣のわずかなスペースを見抜くセンスだと考えています。
今シーズン加入したペドリ、カンテラーノのチアゴ・アルカンタラが戻っていたら魅力的な組み合わせだと思います。
現在所属の選手であればコウチーニョやリッキ・プッチの成長が期待されます。
メッシは現在のスタイルを変える事なく、自由にポジショニングするのが最善な起用方法でしょう。
守備面での貢献や補完性を考慮して偽9番にはグリーズマンが適任だと思います。間でパスを受けるポジショニングやスペースを創るランニングでチームに貢献できる選手だと思います。
左には怪我で長期離脱を余儀なくされているアンス・ファティの復帰が望ましいです。テクニック、インテリジェンス、得点能力とバルサのFWに求められる要素をすでに持ち合わせており得点力が上がればポスト・メッシのエース候補としても期待できる逸材でしょう。
攻撃に必要な幅は両サイドDFが高い位置にポジションをとる事で相手を広げ、メッシ、グリーズマンが相手2ラインの間でパスを呼び込み、ファティ、両サイドDFの背後を狙ったランニングとチアゴの配球でバイタルエリアを攻略するのが攻撃の狙いになります。
ボールロスト時は即時にプレッシングを開始してデ・ヨングが前向きにボールを奪うのが理想的な守備です。
フィジカル的にカウンターを阻止する事が可能なDFは必要だと思います。スカウティングを担ったスポーツ・ディレクターの役職にも有能なスタッフの起用が重要だと思います。
サッカーは常に進化しているので10年前のスタイルで勝利を勝ち取れる訳ではありませんが、ヨハン・クライフなどの先人が築き上げてきたクラブのアイデンティテを引き継ぐバルセロナらしいチーム編成とゲームを21-22シーズンには期待したいものです。
シーズン途中で気が早いかもしれませんが、自身が考えるバルサの理想像を思い描きながら20-21シーズン残りの試合を分析し、観戦してみてはいかがでしょか!?