【久保建英】ビジャレアル20-21シーズン序盤戦を分析して戦い方を考察!!
久保建英選手が所属するビジャレアルの2020-21シーズン序盤戦の戦いぶりを分析してシーズン今後の戦い方を考察して予想してみます。
ラ・リーガ20-21開幕から8試合を終えて4勝3分1敗で3位、ヨーロッパ・リーグではグループリーグ2戦2勝と順調なスタートを切ったと思います。
ウナイ・エメリ監督
今シーズンから就任したウナイ・エメリは監督としては年齢が若く、ビッククラブを率いてきた経験もあり実績十分な監督だと言えるのではないでしょうか。
バレンシア時代は現バルセロナ監督のクーマンの後任として36歳、クラブ最年少監督として就任し、ダビド・ヴィジャ(元ヴィッセル神戸)、ダビド・シルバ(マンチェスターC~現レアル・ソシエダ)とスペイン代表の黄金期を支えた選手を擁してリーグ戦で好成績を収めてチャンピオンズ・リーグ出場権を獲得しています。
セビージャ時代にはヨーロッパ・リーグ3連覇を達成して名実ともに名監督と呼ばれるようになります。当時のエメリ監督は堅実な戦い方を基本にしていましたが、バルセロナなどの強豪チームを相手にする場合、実力で自チームが劣ると判断した時には奇策な戦術で果敢に勝利を目指すチャレンジが裏目に出て大敗するイメージがあります。
今シーズン唯一の敗戦バルセロナとの試合では無難な戦術で0-4で大敗を喫しましたが、以前の戦いでは策に溺れる姿が多かったことと比べると現チームの戦力には多少の自信があったのではないかと推測できます。
※バルセロナ戦前のスタメン予想に興味がある方はこちらをご覧ください
相手をリスペクトしながらも、自チームにある程度の実力があると判断した結果、堅実な戦術を採用した方に勝機があると判断しての采配だったと思いますが、バルセロナに圧倒されてチームの基本システムを変更する決断に至りました。
シーズン開幕から4-4-2でバランスを重視したシステムで戦っていましたが、DFラインと中盤の守備が不安定なのは明らかで、アンカーにイボーラを起用した4-1-4-1にシステムと戦術を変更してエースのジェラール・モレノを右サイドMFで起用するようになります。
※プレシーズンマッチを観ての開幕戦の考察記事に興味がある方はこちらをご覧ください
しかし、スペイン代表に招集されたモレノが負傷離脱して再度、最適な組み合わせを摸索する必要性が有り、久保建英選手がEL初戦でのスタメン起用に結果で答える形でレギュラー候補に急浮上してきたのが現状です。
モレノが復帰した今節のバジャドリード戦で久保建英選手はベンチスタートとなりましたが、途中出場から存在感を発揮しました。
パリSG時代にはネイマールを、アーセナル時代はメスト・エジルを指導してきたエメリ監督は違いを創る選手をいかにしてチーム戦術にフィットさせるかで苦労して来ました。
現在の久保選手は未だレギュラーを獲得していない若手選手ですが、将来性を評価しているからこそチーム戦術に個人能力を融合させる戦術的な幅を身に着けさせるために、安易にポジションを与える事はしないと推測できます。
ビジャレアルのベスト布陣は!?
公式戦10試合を終えて現状チームを分析した場合、プレシーズンから顕著だったディフェンスはアンカーを置くことで若干の改善が見られる事と、シュートストップの場面での強度は以前より改善された点だと思いますが、バルサやレアル、ELに出場している強豪クラブの攻撃陣を無失点で抑えるのは難しいと思います。
GKとDFライン、MFの連携を深めてバイタルエリアの圧縮とサイドからのボールへの対応を改善する必要があると分析しました。
中盤の組立はライバルのバレンシアから引き抜いたパレホが中心になるのは間違いないでしょう。バイタルエリアの対応を考えてアンカーを置く場合はイボーラの起用がメインとなりますが、同じくバレンシアから移籍してきたコクランを適応できれば選択肢が増えるでしょう。
インサイドMFではトリゲロスの評価が高く、パレホが復帰した場合はアンカーを含めた3選手が中盤をリードする可能性が高いと思われます。
左サイドは攻撃に特徴があるサイドDFのペトラサとバランス感覚に優れるMFモイ・ゴメスのコンビ、右サイドは攻撃力が最大の武器であるMFチュクウェゼとキャプテンのDFマリオ・ガスパールがバランスが取れた組み合わせだと分析しました。
FWはチャンスメークを含めて最大のタレントはジェラール・モレノで、得点を期待されるのがパコ・アルカセル、守備を含めたマルチ性が期待されるバッカのいずれかが、システムや戦略、組み合わせを考慮して起用されると考えられます。
ローテーションや怪我、出場停止を含めてベストなメンバーだけでは戦い抜くことが難しい現在の試合カレンダーではシーズンで数回しかベストな布陣を組める可能性が有りませんが、ビジャレアルの選手の能力を判断したベスト布陣を考えてみます。
GK:G・ルジ
右サイドDF:M・ガスパール
センターDF:J・フォイス
センターDF:P・トレス
左サイドDF:ペトラサ
アンカー:コクラン
右サイドMF:チュクウェゼ
インサイドMF:イボーラ
インサイドMF:パレホ
FW:J・モレノ
選手の能力を最大限に融合させる戦術!?
左サイドMFに特定の選手を置かないアシンメトリな布陣ですが、ディフェンス時にはバランスを取る必要があるので久保選手、イボーラが左サイドでの役割を状況に応じて対応するシステムを考えました。
GKはアセンホよりルジに安定感を感じる理由で選出しました。
攻撃面での最大の特徴はG・モレノ、久保建英、チュクウェゼの右サイド、ハーフスペースでの個人能力による局面打開とコンビネーションによる崩しだと分析しました。
この3選手を同時にピッチに立たせて融合させることが攻撃での最優先事項で中盤、ディフェンス時でのバランスを選手の組み合わせとシステマチックなポジショニングによって補うことで可能にさせたいと思います。
ディフェンスの強化は個人によるものよりも連携面での改善が効率的でバイタルエリアの圧縮はコクランに期待しましょう。
サイドからのクロスへの対応はGKの守備範囲、ファーストDFが切らなければいけないコース、ニアサイド、並行またはマイナスへのコースを消けし、ファーサイドでの対応に約束事を定める事で、ある程度は改善できるのではないかと思います。
中盤の組立ではパレホがサイドDFの位置に下がるポジショニングを基軸に相手の配置によってはイボーラ、久保、モレノが相手のDFとMFラインの中間でパスを引き出すことも狙いの一つになります。
右サイドはライン際の高い位置にチュクウェゼがポジショニングして幅と深みを創りたいです。
左サイドはスタート時点では久保建英選手が立ちますが、流れの中で左ハーフスペースにポジショニングしてパスを引き出しながらサイドDFペトラサのスペースを創ります。
通常であればトップの選手が深みを創る為にできる限り高い位置を取りたいのですが、J・モレノの特徴である中盤での組立でも能力を発揮させるために、状況をみてイボーラ、久保、チュクウェゼがDFラインの裏を積極的に狙うことが必要になってきます。
被カウンター時はコクランがボールサイドで蓋をする役割をにない、ビルドアップ時にはパレホと逆の動きをして相手をコントロールして組立に貢献する重要な役割を期待します。
試合状況を判断して途中出場で得点力を発揮するFWパコ・アルカセルの投入がゲームを左右する采配となるでしょう。
パコ投入時には右サイドには久保、モレノ、チュクウェゼの調子で配置されて、トップ下にはモレノ、久保、イボーラ、トリゲロスの起用が考えられます。
左サイドで安定感が求められる状況ではモイ・ゴメスがファーストチョイスになるでしょう。
ポイントはモレノ、久保、チュクウェゼ、パレホ、アルカセルの能力を最大値で融合させる最適策を見出す事です。
久保建英選手は左サイドに張るのではなくインサイドにポジショニングして流れの中で右サイドに絡むことでチャンスを創れるまで成長しています。この動きをチームが理解して補完するためと、エリア内のインテンシティを上げる役割を期待できるのがイボーラの起用です。
組立の面ではトリゲロスも貴重な選手ですが、ゴール前の迫力を期待するのは難しいのでバックアッパーとしての起用で能力を期待したいです。
シーズン終盤になると選手層が競争力を支えるようになります。FWバッカ、DFアルビオル、GKアセンホ、DFアルベルト・モレノ、DFエストゥピニャンの存在が貴重な戦力になることが予想されます。
まとめ
今回は久保建英選手の才能とビジャレアルの選手の能力、ウナイ・エメリ監督を題材に想像性を膨らませてサッカーを楽しんでみましたが、今後のビジャレアル、ウナイ・エメリ監督の采配と結果を照らし合わせて、さらに楽みたいと思っています。
みなさんも過去を分析して、予想しながら独自に未来を創造してサッカーを楽しんでみて下さい!!