久保建英スタメン出場!!日本代表vsコートジボアール戦の感想!!
約1年間の中断後、再開された代表活動で初戦カメルーンとの対戦に続く2戦目となるコートジボアールとのトレーニングマッチを分析しながら感想を述べたいと思います。
久保建英スタメン!!
第1戦のカメルーン戦のメンバーから大幅にスタメンを入れ替えた日本代表はカメルーン戦の後半である程度、機能した3DFではなく、右サイドDFに室屋成選手、左サイドDFに中山雄太選手を起用して4DFでディフェンスラインを形成しました。
*コートジボアール戦のプレビューに興味がある方はこちらをご覧ください
GKにはシュミット・ダニエル選手を起用してボランチは中山選手に代わり遠藤航選手、右サイドにはカメルーン戦で存在感を示した伊東純也選手、トップ下には鎌田大地選手、左サイドMFに久保建英選手を抜擢してワントップには鈴木武蔵選手がスターティングメンバとして出場しました。
ゲーム開始直後はカメルーン戦からだいぶ改善されたビルドアップで日本が主導権を握れたと思います。
カメルーン戦ではディフェンスラインからボールを引き出す役割を中山選手が主に担い、柴崎選手が中山選手にパスが通った後のサポートを意識していたと思われますが、第2戦目は柴崎選手と遠藤選手の双方が相手の立ち位置を把握してバランス良くポジショニングする事でDFからのパスコースの選択肢を増やし、縦方向のパスを供給しやすい状況を創れたことが改善され、結果としてビルドアップを安定させた原因だと推測しました。
立ち上がりは日本代表が良いテンポでパスを回していましたが、徐々にコートジボワールにゲームをコントロールされていきました。
日本代表は前線からのプレッシングで中盤より前方でボールを奪いたい狙いだったと思いますが、コートジボワールはサイドDFにボールを回した後も後方で深さを保ちながらインサイドで良い角度とタイミングでサポートに入り、ワンタッチパスを織り交ぜてプレッシングを回避していました。
深い位置まで進出された状況でボール奪取しても、相手のプレッシャーを逃れられずに相手が予想可能かつ精度が低いクリアに近い状態のパスを前線で収める事が出来ずに、コートジボワールにコントロールされている時間帯が長かったと感じます。
久保選手も浮き球のパスを収めても、パスの選択肢がなく、自身で前方に持ち運ぶ状況で局面の打開を試みていましたが、相手とのフィジカル的な差を上回るアイディアを見出だす事が出来ずにボールを失う場面が見受けられました。
鈴木選手も体を張って対抗していましたが、やはりフィジカルで上廻るのは難しい相手だったと思います。コートジボワールのDFライン中央は選手間の距離が近かったのでプレッシングの方向を複数人で工夫する事で、サイドではなくインサイドでボールを奪う戦術を採用したら面白かったのではないかと感じました。
後半は前半とは逆にコートジボワールが良いリズムでパスを回す展開となりました。
日本代表選手のプレー分析!!
久保建英選手
左サイド高いコーナー付近で浮き球のボールをコントロールして見事なプレーを見せます。
寄せてきた相手に体を入れてキープすると体を相手方向に向けながらボールを動かし、細かいステップと繊細なボールタッチでプレッシャーから逃れるとインナーラップしてきた中山選手に相手2人の間をグラウンダーで通すセンス溢れるプレーに才能の片鱗を感じました。
浮き球で通しても素晴らしいパスになっていたと思いますが、絶妙なタッチとタイミングで出したパスはサッカーのプレーの美しさを感じさせてくれました。
鎌田大地選手
中盤でパスを受けて個人で局面を打開して時間を創るプレーは大迫選手を上廻る程の中盤でタメを創れる選手になる可能性を感じました。
GKに当ててしまったシュートシールでは右に持ち出す時にキックフェイントなどで相手DFの足を無力化できれば、コースを広げてゴールに結びつける可能性を高められたかもしれません。
柴崎岳選手
らしさは所々で発揮されていたと思います。
中盤インサイドから右前方の伊東選手に出した何気ないパスには伊東選手の体の向き、相手との距離を考慮した強さ、回転、コースが絶妙なパスでセンスを感じましたが、まだポテンシャルを最大限に発揮出来ていないのが現状ではないでしょうか。
中山雄太選手
左サイドDFで出場してタイミングの良いランニングにより攻撃面でチャンスを創出していました。
次の展開を予測して左サイドでパスを受けた選手からワンタッチで裏のスペースを狙った場面は、インサイドから斜めのランニングで相手の迷いを誘発させる効果的なプレーだと感じました。
遠藤航選手
中盤の狭いエリアでも前を向ける事で周りの選手がポジションを移動する時間を創出して円滑なパス回しに貢献していた一方、持ち味のボール奪取はフィジカルが強い相手に苦戦して、危険なボールロストでピンチを招くシーンが気になりなした。
冨安健洋選手、吉田麻耶選手
2試合を通じてセンターDFの吉田選手、冨安選手は安定したプレーでチームを支えてケガなどのアクシデントが無ければアジア予選では必要不可欠な選手だと感じます。
伊東純也選手
好調を維持して右サイドでは1番手として認識されるパフォーマンスを見せていたと思います。
身体能力が高いアフリカ勢相手にスピードだけではアドバンテージがありませんでしたが、相手に食いつかせてタイミングで突破するプレーや、相手を引き付けてアウトサイドパスで楔にいれるテクニックなど連携面でだいぶレベルが上がったと感じました。
オープンな展開へ!!
久保選手と交代で南野選手が出場したタイミング以降は互いに体力的な問題が原因でオープンなゲーム内容になりました。
フィジカルコンディションと集中力を維持できている時間帯とは打って変わって組織的にゲームをコントロールできなきなる時間帯からが、サッカーに期待された興奮が頻繁に訪れる時間帯です。
この時間帯から切り札となりえる選手を状況によって起用できるのが、現代サッカーのチーム力を測るバロメーターかもしれません。
対戦相手のコートジボアールの10番で左サイドで出場していたジルビーニョ選手は日本代表の脅威となっており、複数人で守る日本代表に抑えられていた感じも有りましたが、吉田選手をスピードでタテに振り切ってシュートに持ち込んだ場面ではGKシュミット・ダニエル選手の好セーブがなければ失点してもおかしくない場面で、‘14ブラジルワールドカップで対戦した時のドログバ選手のような起用方で出場したら、さらに危険な存在になったと思われます。
日本代表では途中出場の南野拓実選手や原口元気選手が積極的にシュートを打って、得点に繋がる可能性意を感じさせました。
セットプレーから植田直通選手のヘディングでのゴールで日本代表が勝利を収めましたが、柴崎選手のキックの精度と植田選手の駆け引きが功を奏したと思います。
キックする直前にボールと逆方向に動く事でマーカーがボールと自分を同一視野で見れない状況を創り、マークを外す個人戦術でサッカーの奥深くに潜むインテリジェンスにも関わる要素で、選手として成長したい方は身に着けたい個人戦術の一つだと思います。
絶対的に突出した能力でチームを勝利へ導く選手がいないチームでは、選手の組み合わせとメンタル面の充実がパフォーマンスを左右する要素だと思われます。
現成の日本代表もお互いを補完して組み合わせの妙によりチームとしての能力が変わる監督(スタッフ)冥利に尽きる状況だと思います。
史上初めて海外組で臨んだ今回の代表ウィークを今後の成長に繋げるのは連盟スタッフの実力が試される場面だったとも思われます。
初戦のカメルーン戦と比較するとゲーム内容は数段上がったと思いました。
数日間の間でパフォーマンスを改善しながら強化に繋げるプランを遂行したスタッフも世界レベルへ向けて進化している事を推測できる代表活動になったと思います。
所属チームに戻り、バイエルン・ミュンヘン相手にゴールを決めた堂安律選手や、なかなかスタメン起用されない久保建英選手、今回起用されなかったオリンピック世代の三好康二選手、板倉滉選手の今後の活躍にも期待してヨーロッパ各国リーグ戦を楽しみたいと思います。