サッカーライフin Mzk74’s diary

サッカーと共に生きる

プレーモデルと選手育成

今年も猛暑の中、地元で開催されたユースカップ決勝を観戦してきました。

勝戦に勝ち残ったのはJリーグ下部組織のユースチーム(赤チーム)でジュニア時代から息子チームと対戦してきたり、選抜チームでは息子とチームメイトだった選手が多く在籍している私も知っている選手が多く在籍するチームとおそらく和歌山県のJリーガを輩出している強豪高校(グレーチーム)との対戦です。



Jユース(赤チーム)は4-2-4の可変システムを採用していると思われます。
2列目中央にあえて選手を配置せずにビルドアップ時に両サイドとトップ気味にポジションを取っている偽トップ下があえて空けてある2列目中央に流動的に動いて相手ディフェンス組織を惑わしてパスを繋ぎながら前進を試みる戦術がプレーモデルとしているのが感じられます。

一方の高校チーム(グレー)は4-2-3-1でこちらは前方にスペースが有る場面では積極的にDFの背後を狙いますが、基本的にはパスを繋いでサイドから個人能力を活かして攻撃するスタイルが得意な戦い方だと感じました。

試合開始からは高校チーム個人能力を発揮して相手を押し込む展開でしたが、しばらくすると得意のポゼッションJユースが叙々にゲームをコントロールする展開です。

Jユーステンポ良いパスと連動からスルーパスでエリア内に侵入してシュートまで持ち込みますがDFが対応してコーナーキックになりました。
キッカーは私と同じシニアチームの選手でジュニア、ジュニアユース世代のコーチを務める友人の息子(偽トップ下で出場)です。
スピード、コース共に申し分ないお手本のような質の高いキックにGK前でヘディングで合わせたのはアンダーカテゴリー日本代表候補で長身のセンターDFでJユースが先制しました。

残り半分ほどの時間は高校チーム時折りカウンターを見せますがJユースがゲームをコントロールしたままハーフタイムを迎えます。

f:id:MiZuKa74:20200812153236j:plain

 

後半開始からは高校チームギアを上げて攻撃に出るスタートとなりました。
Jユースは奪ったボールを繋げない状況が続いて得意なポゼッションは影を潜めます。
前半同様に中頃の時間帯にコーナーキックをJユースが獲得します。
右コーナーはグラウンダーペナルティーエリアの角より少し内側へつなぐキックを選択しました。
パスを受けた友人の息子はダイレクトで中の選手が触れる可能性を感じさせる軌道で尚且つゴール逆サイドギリギリを狙った強いキックで狙ったシュートが逆サイドネットの上部に突き刺さり2点のリードを得ました。


以降は夏場の連戦もありJユースは攻撃の手を緩め時間を使うポゼッションにシフトします。
時折りカウンターを狙いますベンチからも指示でているのを聞いている相手の高校チームは積極的にプレーして、サイドの高い位置にボールを運びます。
あえて味方選手も寄って行って相手選手を誘い出しスペースが無い状況下で個人の技術と浮き球などのアイディアを駆使してチャンスを創り出して得意な戦い方で持ち味を発揮する様になりました
いつゴールが決まってもおかしくない展開でしたが、Jユースは集中力を切らすことなく凌いで2-0で勝利して見事にタイトルを勝ち取る事に成功しました。

高校チームの明確なプレーモデルを感じ取る事はできませんでしたが、狭い局面でもボールを持ち仕掛ける姿は観ていて選手の可能性を感じました。


バルセロナなどポゼッション志向でチームで連動しながら前進するシステマチックなプレーモデルを持つチームで育った選手が他のプレーモデルのチームでプレーする時に壁に当たるのはよく聞く話です。

個人のアイディアによる曲面打開へのチャレンジ、味方選手のサポートが遅れて選択肢の少ない場面にストレスなくプレーできるのか?

Jユースの選手は優勝しましたが、この先のサッカー人生で自身のプレー思考をアップロードしていく必要に迫られる時が来るのではないかと感じる一戦でした。
味方選手との連動による崩しが成功した場合はフリーでシュートする事に成功していましたが、欲を言えばアタッキングエリアに入った場面では個人の能力による局面打開に積極的にチャレンジする事にもフォーカスすれば、更に高いレベルのサッカーにたどり着くのではないかと感じました。