サッカーライフin Mzk74’s diary

サッカーと共に生きる

あの選手は今~両親のDNAを引き継ぐサラブレット~

息子がサッカーを始めたのと同時に何かのご縁か、昔に命名させてもらった少年団チームのお父さんコーチに就任したのは以前の記事で書きました。

息子世代を担当していたのですが、一つ上の学年もお父さんコーチが務めていて、仕事の都合などで欠席される時は私が代わりに引率した試合もありました。

息子の一つ上の学年のほとんどの選手が後にに私がコーチを務めるサッカースクールに通っていて(息子も通っていました)この世代の選手達とは長い間、サッカーと共に同じ時間を過ごしてきた感慨深い選手達です。

そのなかの一人、チームのエースだった選手のお話です。

 

身体能力が高く、しなやかな肉体を有する彼は小学生時代はFWとして活躍する将来有望な選手でした。持って生まれたDNA(お父さんは若い時は陸上選手だったそうです)をご両親に感謝する事と共に、彼自身の努力によりボールテクニックも向上していきました。

特にキックは良い物を持っていてハーフェイラインあたりからのフリーキックを直接ライナーでゴールに飛ばすのも見る事があったほどです。

ジュニアユースへ行ってからはボランチセンターバックにポジションはコンバートされましたが、チームの要であることに変わりはありませんでした。

高校は地元の名門校(全国制覇を成し遂げた事がある地元では圧倒的な実績を持つ高校)に進学しました。

全国から夢を追いかけて名門校の門を叩く選手は大勢いますが、地元出身の彼も同等以上の実力を有していると確信していた私は彼が出場しそうな試合を見に行ったりしていましたが、ピッチで活躍を見れる事はおろか、メンバーにも入れない苦しい思をしている姿に遭遇しました。

なぜ評価を勝ち取れていないか自分自身で理解できているのかを確認すると、首を横にかしげるだけでした。(メンバーに入れない苦しい状況でも彼自身が私の姿を見かけて歩み寄ってきて、きちっと挨拶してくれました)

しかしサッカーの神様は彼を見捨てませんでした。

ジュニアユース時代にトレセン選手だった彼は国体候補として選抜チームで活動して、試合にも出場してようです。

サッカー少年の国体競技は選手育成の概念から公式戦に出場機会が少ないであろう1年生(U-16)が主体の大会です。

 

残念ながら彼は予備メンバーには選出されましたが、本大会には出場できませんでした。

所属チームの名門校で実力を認められなく試合出場のチャンスをもらえないにも関わらず、彼は腐ることなく努力を継続していたのでしょう。

1年後国体選抜キャプテンに選出されたのです!!

※彼は早生まれで高校2年生ですがU-16の年齢制限に出場資格が有るパターンでした。

彼がキャプテンに選出された事は知りませんでしたが、国体メンバーに選ばれたのは風の噂で聞いていました。

ある日、彼のお母さんのSNSに国体チームが決勝進出を決めた事が書かれているのを見た時には鳥肌が立ちました。

 

次の日は仕事ですが、私はいてもたってもいられずに会場まで足を運び、勝戦を観戦させてもらいました。

息子の代がメインの国体選抜チームなので、彼以外にも知っている選手が大勢いて複雑(息子にもメンバーに入ってもらいたいとメンバー選考当時は淡い希望を持っていたので)な心境でしたが、彼がキャプテンマークを付けてピッチに入場する姿を勝手に誇らしく感じました。

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勝戦は強豪の埼玉選抜で強力なメンバー構成(現・大宮アルディージャユース10番、昨年の選手権でも活躍した昌平高校の10番など)でゲームを支配して優位に試合を進めました。

残念ながら、彼のチームは準優勝となりました。

しかし私は立派な結果だと、とても嬉しく感じたのと同時に、これで所属チームでの評価は格段に変わるだろうと予想しました。

後に名門高校の試合を見に行くと案の定、彼はトップチームのレギュラーの座を勝ち取っていたのです。

世の中に認められるには結果が大事だと再認識させられるエピソードではありますが、逆に考えると、結果を出さなければ選手の能力を見抜けない監督の目を疑う事案だとも捉えられますね。

彼と名門高校は2年生時(国体準優勝の年)は全国大会に出場しましたが、翌年の3年生時は十何年か続いた連続出場記録が途絶える残念な結果に終わりました。

この時に全校大会に初出場を決めた高校にも知っている選手が何人かいて、またしても複雑な心境でした。

競争が激しい強豪校でレギュラーとして試合に出場し続けるのは色々な意味で大変だとは予想できます。

国体の準優勝後は試合に出場する彼の姿を見て嬉しく思っていたのですが、1年後に見た試合では彼がサッカーを楽しんでいるのか?成長しているのか?心配になりました。

強豪校では個人の成長よりも組織のメリットが優先されるので、ごく一部のスペシャルな選手が指導者と有益な関係を築いていれば良いのですが、大抵の場合は指導者の要求するプレーがプライオリティの最高位になってしまって、本来サッカーをプレーする意味(好き・楽しい・面白い)を見失っている傾向が懸念されます。

高校卒業後は東京の大学にサッカーで進学したと聞きました。

大学ではサッカーを楽しんでいるかい?

いつか、また元気な姿を見せて下さい!!