あの選手は今~左足のマジシャン~
今から7年ほど昔、息子が所属するチームが他県のチームの招待大会に行った時の話です。
河川敷にある天然芝のグランドで小学生のサイズが4面ほどある会場での大会でした。一つ年上の選手の人数が少ないことから息子の代の選手も上のカテゴリーで試合に臨みました。
何試合目かは覚えていませんが、赤色のユニホームのチームとの対戦がありました。
圧倒的にゲームを支配されて大差で敗れてしまいました。
結局その赤いチームは決勝戦に進み決勝で白いチームにカウンター2発で敗れて、惜しくも準優勝でしたが、赤いチームの選手達のプレーは素晴らしく、確か全国大会にも出場したと思います。
赤色のチームにはセンスを感じさせる9番の選手や14番のレフティー、10番のエースと予想できるFW,中盤の6番の選手は賢く運動量も豊富、ディフェンスの3番の選手もインテリジェンスを感じさせるプレーで観ていて楽しかったのを覚えています。
さらに驚いたことは決勝で対戦していた白いチームがほとんどの時間帯を赤いチームに押し込まれているのですが、カウンターの精度が高く、攻撃に移るたびにシュートを打つまでに攻撃を結び付けていたことです。
コーナーキックから2点を奪い白色のチームが優勝しました。
まるで、大人の試合を観ているかのような試合運びで観る者を楽しませてくれました。
翌年も招待されて赤色のチームと再び対戦しました。
前年のチームはやはり特別だったのか次の代はそこまで強烈ではなかったと思います。
私はサッカーを楽しむために、息子チームの試合の合間に他の試合を観戦しにウロウロしていました。
そこで見つけたのがブラジルカラーのユニフォームを着て10番を付けてキャプテンマークを腕に巻く左利きの選手でした。
チームはそれほど強くないのか、彼が一人でサッカーしているような感じで、独力でゴールも決めていました。
それから時が経って、息子も中学生になり温泉街にほど近い会場で開かれているジュニアユースの大会でのことです。
決勝戦を観ていたら27番を付けた左利きの選手に目が留まりました。
左足でボールを持ちながらルックアップして相手にボールをさらして餌をまき、ボール奪取に懐に入った途端に絶妙なタッチとリズムをずらして、いとも簡単に相手を抜き去るのです。
相手ディフェンダーはボールに足が届く距離まで近づいてきているのでボールロストのリスクが高まりますが、あえて誘い込んでいると私には感じました。
ドリブルで突破する感じではなく、誘い込んで相手の勢いを逆手に取って次々と相手を交わしていく行くスタイルでした。
惜しくも優勝は逃しましたが、きっとあの時の「キャプテン翼」(10番、キャプテン、センターホワード)ではないかと嬉しくなりました。
今頃はユースに上がってエース級に成長しているのではないかと勝手に期待を寄せています。
自分の趣向に合った選手のプレーを観るだけで楽しめる、サッカーは魅力的なスポーツと改めて実感します。
皆さんも好みの選手を探し当ててサッカーを楽しんでみてはいかがでしょうか。